DIARY 2012
三浦一馬の演奏日記!
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バンドネオン・ソリスト~その後(計8本!) Mar.14,2012
 DIARY、随分とご無沙汰してしまいましたね。
(過去のモノを読み返すと毎回こんな感じの書き出しになってしまっていますが、、、)
2月の紀尾井公演以降も、結構バタバタと色々なところで弾いてきたような気がするので、今日はちょっとゆっくりそれらを(一気に8本分!)振り返ってみようと思っています!

(※随分と長くなってしまったので、タイトルの上にあるウィンドウ・ボタンをクリックし、新規ウィンドウにて読まれることをお勧めします)

◎ 2月3日 バンドネオン・ソリスト@紀尾井ホール
◎ 2月8日 宮田大“大ism”Vol.2~チェロとバンドネオンの邂逅~@王子ホール
◎ 2月18日 三浦一馬 バンドネオンコンサート@千種文化小劇場
◎ 2月21日 三浦一馬 バンドネオンコンサート@かごしま県民交流センター県民ホール
◎ 2月22日 人吉労音 第277回例会 三浦一馬 バンドネオンコンサート@人吉カルチャーパレス
◎ 2月23日 三浦一馬 バンドネオン・リサイタル@戸畑市民会館大ホール・ウェルとばた
◎ 2月25日 三浦一馬 バンドネオン・ソリスト スペシャルライブ@大阪倶楽部4階ホール
◎ 3月4日 Act New Artist Series No.82 三浦一馬 バンドネオン・コンサート@アクトシティ浜松 音楽工房ホール


◎ 2月3日 バンドネオン・ソリスト@紀尾井ホール

 この「バンドネオン・ソリスト」というタイトルのもと、僕が尊敬してやまないピアソラの作品にアプローチしようという、今までの色々な思いを携えて臨んだ公演。いわゆる“2時間プロ”では初となる「オール・ピアソラ・プログラム」です。2009年の「<東京の夏>音楽祭」以来、2度目となる紀尾井ホールですね!
 当日の朝も、やはりいつもとは少しだけ違った気持ちで会場へ向かいました。自分にとってアストル・ピアソラとは、バンドネオンを始めた子供の頃から弾き、また、聴き続けてきた憧れの音楽家です。そのピアソラを、今度は僕が一人の演奏家として、僕自身の解釈によって、その魅力を多くの人に聴いてもらいたいという気持ちが胸中にはありました。だからこそ、完売御礼となるほど多くの方が聴きにきてくださったのは、正直とても嬉しかったことです。本当は、どんな時もオウディエンスの数というのは関係ないけれど、それでも。


©FUMIAKI FUJIMOTO

アディオス・ノニーノ(N.マルコーニ編曲)
天使の死(N.マルコーニ編曲)
ファイブ・タンゴ・センセーションズ[編成:三浦一馬バージョン(コントラバス・パート補筆)]
デリカシモ
ブエノスアイレスの冬
スール:愛の帰還
フーガ9(三浦一馬編曲)
ブエノスアイレスの夏      
タンガータ~《シルフとオンディーヌ》より
リベルタンゴ(三浦一馬編曲)

 上記が当夜のプログラムです。冒頭2曲は僕のソロ、『ファイブ・タンゴ・センセーションズ』は弦の皆さんとのアンサンブル、そして『デカリシモ』からの後半は、キンテートという五重奏編成での演奏です。我ながら、盛りだくさん!(笑)


©FUMIAKI FUJIMOTO

 このコンサートは、弾き始めたら終わりまでが本当に早く、いつもの数倍も早い速度で時間が流れている気がしました。また、普段から演奏中には色々なことを考えるのですが、この紀尾井公演ほど色々な人のことが頭を駆け巡ったのも久しぶり。両手バルコニー席まで埋まった沢山のお客様のことや、いつも支え応援してくださる皆様、いま正に一緒に演奏している(本当に素晴らしい演奏をしてくださった!!)共演者の皆様のこと、そしてスタッフの方一人ひとりのことが浮かび、この時間を皆で共有できている幸せを強く感じました。
 演奏家にとっては毎回ですが、やはり、この「バンドネオン・ソリスト」は僕にとって大きな一歩となった公演。それをこうして多くの方に見守っていただけたこと、本当に嬉しかったです。ありがとうございました!!



©FUMIAKI FUJIMOTO


◎2月8日 宮田大“大ism”Vol.2~チェロとバンドネオンの邂逅~@王子ホール

 チェリスト・宮田大さんのシリーズ・コンサート“大ism”(王子ホール)にゲスト出演させて頂きました。昨年のTV朝日系「題名のない音楽会」以来の共演です!
 今回は完全なるデュオのため、プログラムも当初は相当迷いましたが、実はどちらもメロディと伴奏型の両方(そしてソロまで)を弾くことが出来きます。「それじゃあ色々やってみよう!」ということで出来上がったのが、下記のプログラム。それこそ古典から現代まで、世界をぐるっと回るようです!

カッチーニ:アヴェ・マリア
ピアソラ:ル・グラン・タンゴ
      アディオス・ノニーノ(バンドネオン・ソロ)
      来るべきもの(バンドネオン・ソロ)
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー(バンドネオン・ソロ)
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番より プレリュード(チェロ・ソロ)
黛敏郎:文楽(チェロ・ソロ)
ピアソラ:リベルタンゴ


 僕も時々演奏するレパートリーの『アヴェ・マリア』、いつもはメロディ・ラインを弾きますが、今回は僕が伴奏型に徹します。それでも違和感なくチェロとバンドネオンが合う気がするのは不思議、自分でもびっくりします(笑)
 メインとなるのは、ピアソラがロストロポーヴィッチに捧げた『ル・グラン・タンゴ』。ピアノ譜を一度バンドネオン用に書き換える変換作業があったので少々大変でしたが、それでも楽しかった!僕も宮田さんも今回初めて弾く曲ですが、リハーサルの時に時間をかけて打ち合わせ&練習をしたこともあり、本番が一番良い演奏ができました!
 宮田さんがソロで弾かれた、黛敏郎の『文楽』。この曲の存在は知っていても聴くのは初めてで、その面白さと演奏の緻密さに、思わず身を乗り出すように聴き入ったのを覚えています。チェロって、あんなことが出来るんですね…!
 あるようでないチェロとバンドネオンの共演。でも今回の共演を通して、まだまだ楽しそうなことが沢山できると実感しました。宮田さん、またやりましょう!宜しくお願いします!(笑)




◎ 2月18日 三浦一馬 バンドネオンコンサート@千種文化小劇場

 ここからの4公演は、ピアニスト・松本和将さんとの共演。今回はじめてご一緒させて頂きました!
 まずは名古屋、千種文化小劇場から。「劇場」とある通り、ここは所謂コンサート・ホールではなく普段は演劇などに多く使われおり、ステージは円形、客席もそれを囲むように配されています。普段とは違う角度(例えば、「真横」)からも聴くことが出来るということですね。これはオモシロい(笑)
  本来は演奏予定ではなかったけれど、この日のゲネプロで遊びのように始まった、ガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』。急遽、お互いの担当箇所を決めてその日のアンコールで演奏しました。こういうのがあると楽しいですね!その後の九州でも数回披露!
  プログラムがまだ残っているのに僕が勝手に引っ込んでしまうというアクシデントもありましたが(…大変失礼しました。汗)そういう意味でも思い出に残る公演になりました(笑)




◎ 2月21日 三浦一馬 バンドネオンコンサート@かごしま県民交流センター県民ホール

 21日からは九州ツアー!初日となったのは鹿児島市、かごしま県民交流センター県民ホールでの公演です。この建物は元々県庁だったそう、立派な佇まいです!ここは、どこまでも自然・ナチュラルに響くホール、演奏もいい感じです。どこまでも繊細で、でも時に大胆な松本さんのピアノもノリにノってますね(笑)バンドネオンが初めてという方も多くいらしたのですが、非常に盛り上がったコンサートでした!
 終演後は松本さんと打ち上げ!写真はそのお店の近くで撮ったもの。美味しいお料理もいただき、次の日の公演に備えます!!
 ちなみに、その打ち上げからホテルに帰ったときには夜も遅く(また相当酔っ払っていたため…)気付きませんでしたが、翌朝カーテンを明けてびっくり。目の前には壮大な海原、鹿児島湾が広がっていました!海の向こうには桜島!!鹿児島っていいなぁ〜(笑)



◎ 2月22日 人吉労音 第277回例会 三浦一馬 バンドネオンコンサート@人吉カルチャーパレス
 
 22日は熊本!鹿児島からタクシーに揺られること数時間、演奏会場がある人吉市に到着しました。宮崎県、鹿児島県との県境に位置する街、古くからの町並みが残っていたりします。この日の主催は人吉労音、1964年の発足以来、名だたるアーティストを多く招いています。そして公演中も感じたことですが、人吉の方々はとにかく明るく楽しい!前半から良い雰囲気のなか弾いていけたのをよく覚えています。
 カーテンコールの際、人吉名物である「きじ馬」の飾り物を頂きました。(下記写真)全く知識がなく、思わず「鯉のぼりですか?」と聞いてしまいましたが、どうやら「こけし」に並ぶ郷土玩具らしいです。これは可愛い!大事に飾らせて頂きますね!





◎2月23日 三浦一馬 バンドネオン・リサイタル@戸畑市民会館大ホール・ウェルとばた

 九州公演の最後の地、福岡・北九州市へ向け、人吉から特急&新幹線を乗り継いで移動します。写真はその特急「くまがわ」でのショット。左から僕、松本さん、そして僕にいつも同行してくれるマネージャーさんです!写真では見えませんが後ろに日本三大急流のひとつ(そして列車名の由来でもある)「球磨川(くまがわ)」が流れ、この谷間に沿って列車は進みます。嗚呼、こういうところをゆっくり旅してみたい!(笑)



 会場となったのは、北九州市戸畑区にある戸畑市民会館。…ここが本当に素晴らしいホール!昨年弾いた大分のiichikoグランシアタでの響きを彷彿とさせます。
 回数を重ねるごとに楽しくなってきた松本さんとのデュオも4回目。この九州最終日も全力で弾き切りました。福岡の皆さんもとても温かい!どうもありがとうございました!!
 ところで、この日のトークで松本さんが一言、「さっき気づいたんだけど、この二人って“Kazuma”と“Kazumasa”、すごく似ているんですよね!」。確かに!!(笑)


◎ 2月25日 三浦一馬 バンドネオン・ソリスト スペシャルライブ@大阪倶楽部4階ホール
 
 その後大阪へ移動し、紀尾井でも大変お世話になった山田武彦さんと「バンドネオン・ソリスト」の大阪公演です!会場は大正時代に建てられた洋館、大阪倶楽部。趣のある落ち着いた空間です。小雨にも関わらず、沢山の方が聴きに来てくださいました。お客様とも近い距離、いつもとはまた違った素敵な雰囲気の中、演奏することが出来ました。
 実は、この日も先の九州公演もプログラムは同じで下記の通り。前半がクラシック・ステージで、後半はオール・ピアソラです。一見バラバラにも見えますが、実は全てピアソラやバンドネオンにまつわる曲です。(ピアソラが弾いたバッハや、憧れたバルトーク。カッチーニは『タンティ・アンニ・プリーマ(アヴェ・マリア)』繋がり。ピアソラが学んだヒナステラやブーランジェの作品もあります)

J.S.バッハ: 18のライプツィヒ・コラールより 「いと高きにある神にのみ栄光あれ」 BWV662 &664 
伝カッチーニ: アヴェ・マリア  
ピアソラ: タンティ・アンニ・プリーマ(アヴェ・マリア)    
バルトーク(三浦一馬編): ルーマニア民俗舞曲      
ヒナステラ(三浦一馬編): アルゼンチン舞曲集 Op.2 より 「粋な娘の踊り」 
ブーランジェ:(三浦一馬編):3つの小品
ピアソラ(三浦一馬編): オブリヴィオン
ピアソラ(三浦一馬編): 天使のミロンガ
ピアソラ(ネストル・マルコーニ編):天使の死
ピアソラ(ネストル・マルコーニ編): 来たるべきもの   
ネストル・マルコーニ: さよならのワイン    
ピアソラ(三浦一馬編): アディオス・ノニーノ  
ピアソラ(三浦一馬編): 現実との3分間


 山田さんのピアノ、これがまた凄い。ご本人は否定されていますが、いざ本番になると、さっきまでの山田さんじゃないのではないかと思うほどの熱いプレイ(笑)だからこそ、本番が一番楽しい!


◎ 3月4日 Act New Artist Series No.82 三浦一馬 バンドネオン・コンサート@アクトシティ浜松 音楽工房ホール



 この日は久々にBABBOさんとの共演。楽器の街・浜松でのコンサートです!市民の方々にも音楽が広く浸透している証拠か、皆さんが熱心に聴いてくださったのが印象的でした。最近弾いていなかったレパートリーも多かったので、僕自身、新鮮な気持ちで弾くことができ楽しかったです!
 楽屋に入ってびっくりしたのが、ケータリングの中に「うなぎパイ」があったこと(笑)そうか、ここ静岡は鰻が有名なんですよね!…ということで終演後に美味しく大好物の鰻を頂き、家路に就きました(笑)
 ちなみに下記の写真は、お客様から頂いた小さなハーモニカ。小振りだけど、ちゃんと音が出ます!同じリード楽器、バンドネオンの甥っ子という感じでしょうか(笑)ありがとうございました!



 日本各地で色々な出会いがあり、毎回素晴らしい方々と共演できることは最高に楽しいですね!また、頑張ります!!

3.11 Mar.11,2012
 
 あの日から、今日で丸一年です。
忙しく生活していると、つい「もう」という言葉を使いたくなってしまいますが、被災地の現場では、一年が経った今でも避難を続けている方々が何十万とおられ、福島の原発では現在も事故対応にあたっている作業員の方々がいらっしゃるなど、収束はおろか、これは現在進行形の災害であり、この先数十年、或いはそれ以上の時間をかけて(当然、僕らやその後の世代まで)向き合って行かなくてはいけないことだろうと思っています。

 簡単に答えを出すのがなかなか難しい、震災に対する考え方。
ただ、僕なりに一年という時間をかけて突き詰めた結果、やはり僕は弾き続けること、それに尽きるとしか思えてならないのです。今をこうして生かされているのも、単に偶然というだけではないかも知れません。

 今日は東日本大震災から1年というだけでなく、多くの方の一周忌でもあります。
改めて、犠牲者の方の冥福をお祈りすると共に、被災された皆様に、こころからお見舞いを申し上げます。

三浦一馬

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